日本形成外科手術手技学会は、形成外科内視鏡手術研究会として1996年に設立して以来四半世紀の節目を迎えようとしています。内視鏡手術は、体腔内の臓器を専門とする外科領域においては革新的な技術として発展し、手術の“低侵襲化”をキーワードとして急速に普及しました。

 発足当時の本学会は、その内視鏡技術の導入を主目的としていましたが、主に体表を扱う形成外科手術における適応範囲は限定的であり、臓器別専門外科領域に見られるような大きなインパクトを与えることはありませんでした。一方で、この間に内視鏡以外にも、多種多彩な先端技術が開発されました。再生医療、画像データを駆使したナビゲーション、血流・リンパ流の視覚化、高解像度画像ディスプレイ、創管理、・・・等々、これらは形成外科手術を、より低侵襲で、より安全で、より精度の高いものに変えてゆく可能性を秘めています。ですが同時に、新技術を形成外科手術に活用するためには、その技術を最適化するための新たな手技が求められます。

 この四半世紀の間に、形成外科内視鏡手術研究会は、形成外科内視鏡・手術手技研究会、形成外科手術手技研究会、と名称変更を重ね日本形成外科手術手技学会へと発展してきました。その過程は、形成外科手術への新技術導入において、営々と築き上げてきた手術手技にさらなる工夫の積み重ねが必要であることを再認識した過程と捉えることができるのではないでしょうか。

 伝統ある本学会の理事長という大役を拝命し、身の引き締まる思いであります。先達が築いてきた本学会の充実と更なる発展を目指して、会員の皆様と力を合わせて、前進していきたく存じます。皆様の暖かいご支援ご協力を賜りますよう、何とぞ宜しくお願い申し上げます。

日本形成外科手術手技学会 理事長 櫻井 裕之
(東京女子医科大学形成外科)



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